友人代表スピーチ(祝辞)例 – 同期
神戸ライティング事務所が提供する結婚披露宴での友人代表スピーチ(祝辞)例文とその解説。
友人代表スピーチ(祝辞)例
(同期)
隆さん、久子さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家の皆様におかれましても心からお祝い申し上げます。私は久子さんの友人の石坂直子と申します。
私と久子さんは大学を出てすぐ石田クリエイト工業に同期入社致しました。部署は違ったのですが、寮の部屋は相部屋。
初日は本当に不安でした。と言いますのも仕事以外はすべて同じ部屋で過ごす事になるのですから、気の合わない人なら最悪だ、そう思っていました。
部屋でひとしきり荷物の整理をしていると久子さんが入って来ました。第一印象はとても可愛らしい人。でも可愛い人ほど鼻が高くて意地悪だとよく言います。更に不安になりました。
と、私に向かって久子さんはこう言うのです。「よろしくお願いします」そして「近くのスーパーでチョコレート安売りしたんです。ひとつどうぞ」って。そしてニコッと微笑むのです。
何だか私は今までの不安がどこかへ行ってしまって拍子抜けしてしまいました。これが久子さんと私との初めての出会いです。
それから実に15年、一緒の部屋で過ごしました。よく人に言われました。そんなにべったり一緒にいてケンカとかしないの?とか。でも、本当に私達二人はほどほどに距離を置いてお互いが必要な空気の様な感じで過ごしました。
いろいろ旅行に行ったりした思い出もたくさんありますが、やはり15年の中で一番印象深いのは、夜遅くまで久子さんが勉強をしている姿です。地球を守る事が一番大切と、彼女はこの15年間で様々な環境関係の資格を取得し、そしてそれを仕事にも役立てています。本当にコツコツコツコツと頑張っていました。
そして、去年、ついに私が結婚を機に会社を辞める際の送別会の日、久子さん、送別会が始まった瞬間から大泣きして、私、こんなに泣かれるのなら仕事やめるのやめようかなと思ったぐらいでした。でも、寮を離れる最後の日、久子さん、笑顔で送り出してくれましたよね。「私も早く結婚するから」って。その日が今日。本当に嬉しいです。
結びになりますがお二人の末永いお幸せとご健康をお祈りして私のお祝いのご挨拶とさせて頂きます。本日は誠におめでとうございます。
解説
さて、一読されてどうも硬すぎる、淡々とし過ぎているのではと感じられた方もいらっしゃると思います。確かに女性のスピーチにしては可愛らしさに欠けている気がします。しかし、よく考えて下さい。同期で入社して15年と言う事は37歳です。もうすぐ四十路です。そんな女性が同じチャラチャラスピーチは出来ないでしょう。
スピーチにおいて自分の年齢を考慮する事はとても重要な事なのです。そしてもうひとつ、チャラチャラなしで淡々としているからこそ、終盤のお涙頂戴がグンと引き締まるのです。